ヤマビル対策
ヤマビル(山ヒル・ヤマヒル)は、身近な山にも現れます。
丹沢山地や鈴鹿山脈などが有名ですが、日本では岩手・秋田県以南の本州から四国、九州に分布する厄介なやつです。
地名で、ヒルコバ 、蛭ヶ岳、ひるがの高原などは、ヒルに由来する地名と言われています。
ヤマビルとは
ヤマビルは陸に棲むヒルで、吸血性のヒル類です。
普通はヤマビルと呼ばれることが多く、山ヒルと呼ばれることもあります。
以前は山奥の森林に生息するもので、特に湿潤な場所に多いというのが一つの定見であり、深い森と結びつけて恐怖をもって語られてきました。
たとえば『高野聖』には「恐ろしい山蛭」が木の上から落ちてくるシーンが描かれています。
しかし平成に入ってから温暖化のせいか、人里での被害も出ており、その生息地の拡大が言われています。
ただ、寄生虫や病原体の伝搬などの報告はないです。
しかし、気が使ないうちに血を吸われ、衣服やその他が血まみれになること、ヤマビルがヌメヌメして気色が悪いことなどから被害にあいたくないですね。
ヤマビルの活動時期
ヤマビルは乾燥に弱いため、湿度の高い環境になると活動を始めます。
秋が深くなると姿を消し、春になり暖かくなると現れます。
梅雨の時期は活動範囲も広がり、いたる所に現れます。
人などの動物が接近すると二酸化炭素や振動、熱などによって感知し表に出てきます。
あるいは草に登って体を長く伸ばして直立し、その先端をあちこち振り回すように動かし、吸血相手を探すような動作もします。
晴天時には一見いなさそうですが、実は落葉の下などに潜伏してじっとしており、人などが近づくと動き出します。
また、木の上に待機し、頭上から降ってくるヤマビルも居ますので、知らないうちに上半身も血まみれにならないように注意しましょう。
ヤマビル対策
近寄られないようにするために
近寄られないようにするためには、ヤマビル忌避効果の高い「ヒル下がりのジョニー」などのヒル除けスプレーを使いましょう。
塩水を登山靴などに散布しておく手もあり、そのあたりは予算などで決めましょう。
近寄られた時のために
近寄られた時のために、皮膚を露出する部分を減らします。
また、足元は靴の中にズボンを入れるなど、簡単に侵入されないように工夫しましょう。
足元は狙われやすいので特に靴下は分厚いものを着用しましょう。
また、長袖にしたり、首元にタオルを巻いたり、つばの広いハットを着用したり頭上からのヤマビルにも対応しましょう。
不幸にも喰いつかれていたら
不幸にも喰いつかれているのを発見したら、むやみに手で払いのけてはいけません。
噛みついているときに無理に払いのけると、ヤマビルの体液が逆流したり、噛まれた箇所に牙が残ってしまうことが有るので。
では、どうしたらいいかと言うと、ヒル除けスプレーや塩、塩水などヤマビル忌避効果のあるものをかける。
たばこの火などを近づけるのは、ヤマビルの体液が逆流することもあるので。。。とも言われています。
※アンモニアが入ってるものをかけるのは傷を悪化させてしまいますので止めましょう。
不幸にも喰いつかれた後だったら
少量の出血ですが長時間だと、血だらけになっていることと思います。
血が出ていたら、「ヒルジン」を絞り出す処置をしましょう。
ヤマビルは噛みつく際、「ヒルジン」という血液が固まらないようにしてしまう成分を注入します。
「ヒルジン」を絞り出す処置をしないと血は出続けます。
4~5時間出続けることもあるそうです。
1)傷口の辺りをつねって絞り出すような感じで「ヒルジン」を出します。
※ポイズンリムーバーが有れば尚良し。
2)傷口をしっかり洗い流して、消毒用エタノール等で消毒します。
3)抗ヒスタミン剤(ムヒ等)を塗り、絆創膏などで圧迫止血を行います。
とりあえず、ヤマビルの生息しそうな場所を通る場合は、ヤマビル忌避効果のあるものを持って行きましょう。
以上、しっかりヤマビル対策をしてハイキングを楽しみましょう。